◆ホワイトスポットとは?
ホワイトスポットとは、歯の表面に白く不透明な斑点のように見える部分を指します。見た目は「白いシミ」や「まだら模様」のようで、ホワイトニングを受けた後に目立つことがあります。
もともと歯に存在していることが多いのですが、ホワイトニングによって歯の全体が明るくなると、逆にコントラストが強調されて目立ちやすくなるのです。
◆なぜホワイトスポットができるのか?
ホワイトスポットの原因はいくつかあります。
- エナメル質形成不全
永久歯が作られる過程で、カルシウムなどのミネラルがうまく沈着しなかった場合、歯の表面に白濁が生じます。 - 初期むし歯(脱灰)
プラーク中の酸によって歯の表面のミネラルが溶け出し、光の透過性が変化することで白く見える状態です。初期段階ではまだ穴が開いていないため、白いシミとして見えます。 - フッ素症
幼少期に過剰にフッ素を摂取した場合に、歯の表面が部分的に白濁することがあります。
これらのホワイトスポットはもともと歯に存在していますが、ホワイトニングを行うと、歯全体がトーンアップするため、周囲との色の差がはっきりし、かえって目立つように感じることがあるのです。
◆ホワイトニングでのホワイトスポットの見え方
ホワイトニング直後は一時的に「ホワイトスポットが強調されて目立つ」ことがあります。しかし、多くの場合、時間の経過とともに唾液中のミネラルが沈着し、徐々に馴染んで目立たなくなるケースも少なくありません。
特に「ルミナスホワイトニング」のように高濃度の薬剤を使用する場合は、施術後しばらく白斑が強調されることがありますが、多くは数日から数週間で自然に改善していきます。
◆ホワイトスポットは危険なのか?
ホワイトスポット自体は必ずしも「むし歯」というわけではありません。
- 先天的なエナメル質形成不全やフッ素症によるもの → 進行はしない
- 初期むし歯によるもの → 進行のリスクがあるため要観察
このため、歯科医師が診断し、「治療が必要か」「経過観察でよいか」を判断することが重要です。
◆ホワイトスポットが気になるときの対処法
ホワイトニング後にホワイトスポットが目立ち、審美的に気になる場合には、次のような処置があります。
- 再石灰化療法
フッ化物やCPP-ACP(リカルデント)などを用いて歯の再石灰化を促し、ホワイトスポットを自然に目立たなくする方法です。軽度のものに有効です。 - アイコン治療(浸透性レジン治療)
特殊なレジンを歯の表面に浸透させて光硬化させる方法で、ホワイトスポットの見た目を改善できます。歯を削らない低侵襲治療として注目されています。 - ラミネートベニアやコンポジットレジン修復
白斑が大きく、目立ちやすい場合は、歯の表面を薄く削ってセラミックを貼る、またはレジンで修復する方法がとられることもあります。
◆まとめ
- ホワイトスポットとは、歯の表面に白く不透明に見える斑点のこと。
- 原因はエナメル質形成不全、初期むし歯、フッ素症など。
- ホワイトニング後は歯全体が白くなるため、ホワイトスポットが強調され目立つことがある。
- 多くは時間とともに馴染むが、気になる場合は再石灰化療法やアイコン治療などで改善可能。
- むし歯が原因のものは治療が必要な場合もあるため、歯科医院での診断が大切。