ホワイトスポットとは?
ホワイトスポットとは、歯の表面に白く不透明な斑点のように見える部分を指します。見た目は「白いシミ」や「まだら模様」のように見えます。特にホワイトニングを受けた後に目立つことがあります。

ホワイトスポット、もともと歯に存在していることが多いのです。ただホワイトニングによって歯の全体が明るくなると、逆にコントラストが強調されて目立ちやすくなるのです。
なぜホワイトスポットができるのか?
ホワイトスポットの主な原因にはいくつかあります。まず、歯の発育過程でカルシウムなどのミネラルが十分に沈着しない「エナメル質形成不全」があります。また、プラーク中の酸によって歯の表面のミネラルが溶け出す「初期むし歯(脱灰)」でも白濁が生じます。さらに、幼少期にフッ素を過剰摂取した場合に起こる「フッ素症」でも歯の一部が白く見えることがあります。

これらのホワイトスポットはもともと歯に存在しています。しかしホワイトニングを行うと、歯全体がトーンアップするため、周囲との色の差がはっきりし、かえって目立つように感じることがあるのです。
ホワイトニングでのホワイトスポットの見え方
ホワイトニング直後は一時的に「ホワイトスポットが強調されて目立つ」ことがあります。しかし、多くの場合、時間の経過とともに唾液中のミネラルが沈着します。そして徐々に馴染んで目立たなくなるケースも少なくありません。
特に高濃度の薬剤を使用する場合は、施術後しばらく白斑が強調されることがあります。ただ多くは数日から数週間で自然に改善していきます。
ホワイトスポットは危険なのか?
ホワイトスポット自体は必ずしも「むし歯」というわけではありません。
- 先天的なエナメル質形成不全やフッ素症によるもの → 進行はしない
- 初期むし歯によるもの → 進行のリスクがあるため要観察
このため、歯科医師が診断し、「治療が必要か」「経過観察でよいか」を判断することが重要です。
気になるときの対処法
ホワイトニング後にホワイトスポットが目立ち、審美的に気になる場合には、次のような処置があります。
- 再石灰化療法
フッ化物やCPP-ACP(リカルデント)などを用いて歯の再石灰化を促し、ホワイトスポットを自然に目立たなくする方法です。軽度のものに有効です。 - アイコン治療(浸透性レジン治療)
特殊なレジンを歯の表面に浸透させて光硬化させる方法で、ホワイトスポットの見た目を改善できます。歯を削らない低侵襲治療として注目されています。 - ラミネートベニアやコンポジットレジン修復
白斑が大きく、目立ちやすい場合は、歯の表面を薄く削ってセラミックを貼る、またはレジンで修復する方法がとられることもあります。
まとめ
- ホワイトスポットとは、歯の表面に白く不透明に見える斑点のこと。
- 原因はエナメル質形成不全、初期むし歯、フッ素症など。
- ホワイトニング後は歯全体が白くなるため、ホワイトスポットが強調され目立つことがある。
- 多くは時間とともに馴染むが、気になる場合は再石灰化療法やアイコン治療などで改善可能。
- むし歯が原因のものは治療が必要な場合もあるため、歯科医院での診断が大切。